その壁は扉かも。~令和元年、一歩踏み出す「動く勇気」を持ちたい人へ

この春、社会人9年生を迎えました。
ふと振り返ると、ターニングポイントには、必ず「動く勇気」が伴っていたように思います。たとえ、期せずして訪れた受動的なチャンスだったとしても、そこに向かい一歩踏み出すかどうかは自分しだいで、必ず能動的なエネルギー、勇気があったはずだから。

2011年春-

新卒で入った教育ソリューション会社(株)Z会の部活動紹介で初めて知った「スポーツバイク」という乗り物、Z会自転車部との先輩方との出会い。それまで吹奏楽や茶道と文化部一筋だったけれども「高校入学時、運動部デビューでコケた私だけど、ママチャリは乗れるから、コレならできるかも!?」と思い、意を決し同期12名の中1人だけ江ノ島・鎌倉体験ライドに申し込み、なんとか走破。そして、その1ヵ月後にはクロスバイクを購入。それが自転車ライフの始まり。以来、相棒のロードバイクGIANT の Aimez(エメ)ちゃんと共に、ヨーロッパやアジアを中心に世界を自転車で旅してきました。

2017年冬-

30歳を目前にもっと海外のサイクルツーリズムを学びたい!ビジネスパーソンとして成長したい!」と、Z会で溜めたお給料を全額はたいて1年間のオーストラリア留学へ。ブリスベンの大学院でマーケティングを専攻し、クイーンズランド州政府や自転車NPO組織でサイクルツーリズムの職務を担当。誰一人知り合いのいない国、帰国後の保証もまったくなかったけれど、どうしてもやらなきゃと思ったのは、単純に、このままじゃ自分の人生に対して「気が済まない」と思ったからでした。

2018年冬-

豪州より帰国。すっかりオーストラリアのサイクリストの朝型生活、9-5時勤務体制に慣れ切った私は、日本の労働環境や人間関係にうまくなじめず、「逆カルチャーショック」状態になり、心療内科で「適応障害」と判断されました。「悩んでいる自分に悩み続ける」という入れ子構造のアリジゴクから抜け出せず、「明日また職場で怒られたらどうしよう…」と不安で怖くて、一睡もできないまま翌日出勤する日々。自分に合う心療内科医を見つけられず、病院難民になりかけました。諦めかけた頃、最後に訪れた隣町のクリニックの先生は「過去の自分や、あなたのように悩む社会人を一人でも多く救いたくて」と、40歳の時に脱サラし、心療内科医を志して医学部受験に挑んだ元会社員でした。先生は、家族、友人、パートナーに加え、第三者の視点でアドバイスをくださる、大切なオブザーバーになってくれました。

2019年正月-

留学からの帰国以来、初めてブリスベンを再訪。チケットを予約した時はまだメンタルは低迷期、精神安定剤も頓用していて「行きたいか行きたくないかもわからない。でもとにかく、物理的に身体を移動させてみるか…」というやや後ろ向きな感じで、成田空港から飛行機に半強制的に自分の身体を運び入れました。そして「留学生」ではなく一人の「社会人」、大人としてブリスベンという街を、オーストラリアの社会を見つめ直し、留学中お世話になった方々に再会し、昼も夜もとにかくしゃべり倒しました。

滞在期間半ばの昼下がり、ステイ先の友人宅でバイクジャージを干していた時ふと察しました。自分はどこで・誰と・どう生きていきたいのか。もし選択肢があるなら、自分を閉じ込めておく必要はない。思い切り頑張り、のびのびと休むことができる環境を自分に与えてあげるべきだと。

そして2019年、春-

年始の豪州旅行からの帰国後「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」と、どこかで読んだ法則を自分の中でキャンペーン的に試し続けていたら、いつの間にか、精神安定剤(もともと依存性はない、風邪薬のようなものです)も卒業していました。気づいたら私は日本でも、オーストラリアにいた時のようによく食べ、よく笑い、よく寝て、色んな人の愛情や優しさを栄養に光合成して、元気になっていました

どれも、私を変えたのは、ちょっとした「動く勇気」
「スポーツは苦手」「貯金が底をつきるのが怖い」「心療内科に行くのは弱い人」…etc. そんな「やらない・できない理由」1つ1つをブロックにして積み上げて、自分で壁を作って、自己防衛していた。でも、その「壁」を壊そうとするのではなく、ちょっとだけ手で押してみた。そしたらふっと、隠し扉があった。「あぁ、なんだ、自分でATフィールド張ってただけじゃん、私!」みたいな(笑)

平成ももう終わるというのに、残念ながら日本の同世代-特に、女の子たちに対する私の見解は、留学前とあまり大きく変わっていません。「いつも目標に向かい達成する、アヤカちゃんのような生き方はなかなか真似できない」「私には特別な才能も、クリエイティブさもないから」「やる気がないわけじゃない、でも、怖くて、心と体がついていけない」。友人の挙式で、旧友との同窓会で、時には親族の女の子たちから、そんな言葉を繰り返し聞きます。かつての私もそうだけれど、自己肯定感、self-confidence やself-esteem といったものが恐ろしく低くなってしまっている
私は何か崇高な目標に向かっているわけではなく、ただ、自分のやりたいことをやっているだけです。私にだって「特別な才能」なんてありません。自分が見たい景色はまだまはるか山の上だし、まだ、何者にもなっていない

「アヤカちゃん、結婚式は身内や近しい人と細やかでいいなんてもったいない!自分が主役になれる大舞台なのに!」

先日、旧友との女子会で言われたこの言葉にビックリしました。
結婚式じゃなくなって、私たちは日々、自分の人生という大舞台を生きているはずなんだけどなぁと。「専業主婦」「ワーママ」「バリキャリ」、そんな言葉で自分たちをわかりやすくカテゴライズしちゃうから「私が選ばなかった方の人生をあの子は生きているけど、でも、私はこれでシアワセ」って変なロジックに陥っちゃう。縁の下の力持ち、名脇役タイプのあなたでも、人生の中では、間違いなくあなたが主役なんだから。だから、自分を守るカテゴライズ、ATフィールド、もう、呼び方なんてなんでもいいけど、そんなものをやめて、理屈だらけの煉瓦の壁からブリックを一つだけ取り除いて、向こう側を覗いてみてほしい

平成が終わる。時代が変わる。
この春はきっと、一歩踏み出すのにベストなタイミング。
だって、あなたが作ったその壁は、きっと扉だから。

私のロードバイクの師匠であり、日本の自転車環境の改善に日々邁進される、憧れのオトナである白戸太朗さんが、この度、著書「大切なのは『動く勇気』トライアスロンに学ぶ快適人生術」を出版されました。4月30日まで「あなたの『動く勇気』を投稿しよう!」SNSキャンペーンを実施中!ぜひあなたの「動く勇気」をSNS(Facebook/Instagram/Twitter)シェアしてくださいね!

Keep on moving, smiling- and loving your original life! 

Ayaka