薄紫色のジャカランダの花で街が彩られる10月の春先、学生時代の友人と8年ぶりにブリスベンで再会した。
折しも、相方が単身帰国中で私は一人暮らし(仮)中のことだった。
久々のおひとり様時間、愛猫たちを独占できる贅沢を味わいつつも、少し心細くなり始めた矢先の友人の来訪。
ご家族の仕事が主目的での来豪とはいえ、私にとっては願ったり叶ったり。これほどありがたいことはなかった。
夕暮れ時、リバーサイドのレストランで落ち合った友人は、遠くからでもすぐに彼女とわかる変わらない朗らかな笑顔だった。
本音を言うとその日は一日中緊張してお腹まで下す始末だったのだが(どんだけ)「久しぶり!」の言葉を交わした瞬間、8年のブランクなど嘘のようにあっという間に当時の空気感になった。
8年会わない間に、友人は母になり、娘さんは立派な小学生になり、お気に入りのポケモンについて私と一緒に語るまでに成長していた。(片や私の精神年齢)
「人の子が育つのは早い」とはよく聞くが、時の流れの早さに目を剥くばかりである。いやはや。
そして私にとっては今ではすっかり生活の場となったブリスベンの見慣れた景色も、旧友と過ごすとそこは日常の中の非日常で、彼女と過ごした時間はまるで一緒に旅しているようなふわふわとした感覚だった。
「ブリスベンがますます好きになっている」と言ってくれた友人。
もちろんブリスベン自体、自然も街も人も素敵なところではあるのだが、もし彼女が私を通してこの場所をもっと好きになってくれていたら、それはもっともっと嬉しい(自意識過剰ではあるが。)
思えば、私が大阪が好きで毎年帰るのもそこに大好きな祖母がいるからであるし、ブリスベンが好きなのもそこに相方との日々の暮らしや、大切な友人たちがいるからというのが大きい。
次は私が、彼女のいる街を訪ねて行きたい。
きっととても素敵なところに違いない。
だってそこにはあなたがいるから。
When I’m with you, there is no place I’d rather be.
Ayaka