迷ったらしんどい方を行け。

世の中はまだ落ち着かなくとも、確実に季節は巡り、梅が咲き、桜の蕾も膨らんできましたね。仕事も年度末でなんとなく毎日気忙しく一週間が過ぎるのもあっという間だったり。いかがお過ごしでしょうか。

オーストラリア在住の婚約者と Prospective Marriage Visa(正式なパートナーとして豪州移民局に認めてもらい、入国・滞在許可をもらい、現地にて正式な配偶者になるための婚約者ビザ ※日本で先に入籍できない)を申請してから満一年。この一年の間は文字通りまったく音沙汰もなく「コロナのゴタゴタもあって、とうに忘れられているのかな、今頃書類の山の一番下かもなぁ」などとぼんやり思い始めていた矢先、ついに先日「申請手続きの次段階に入った」との連絡を、ビザエージェントさんからもらいました。

約一年前、日豪の無犯罪証明書、戸籍謄本の公式翻訳版、二人の経歴を証明するスライドショーに文書、証人の方々からのエッセイ、指定機関での英文健康診断書、過去10年の渡航履歴…など膨大な書類を移民局に提出しました。今回は、その続きでこの一年の間の通信履歴(会話、手紙、電話)、送金履歴、Marriage Celebrant(結婚立会人的な公式資格を持った方)からのNotice of Intended Marriage(結婚の意思証明書)、各種証明書の再取得などが求められています。

丸一年間音沙汰なしだったのに、突如連絡してきて、28日間のリミットで府警・区役所・領事館・パスポートセンター…etc. を回り、書類作成にも励めよ、という難題。「…って、まじかよ!この年度末に!」というのが喜びの反面にある、素直な本音でもあります。(※注:豪州の年度末は6月末だから関係ない 汗)

たまたま、選び、選ばれたお互いが越境していたがゆえに、ややこしい事情がついてきただけ。それでも「なんで婚姻届1枚、役所に提出さえすれば結婚できる相手を選ばなかったんだ、私は…」と、思ったことがないといえばそれは真っ赤なウソ。(相方にも言ったことがある。)自分が選んだ道とはいえ、しんどくてこぼしたくなるのはきっと誰にでもあるもの(と信じたい)。

でもね、ふと思ったんです。今までもそうだったじゃないかと。

高校受験も、大学受験も、留学も。果てしなく遠く高い目標に見えても、なぜか直感で「私はここに行くんだろう」という想いが心の奥底に常にあって。しんどい・辛いと、さんざんわめいたり、時に目の前の甘い選択肢にちょっと心惹かれたり、時に泣きながらも、歯を食いしばって。(自分が選んだ道なら周囲にこぼすなよ!お前に美学はないのか!とも思いつつ、人間くさいと言えばそうか。)

迷ったら、しんどい方を行け。

ロードバイクを始めて3年目だったかな。富士ヒルクライムで一番きっついルート、あざみラインを登った時にクライマーの先輩がくれた言葉。エグくて、もうなんでこんなこと好きでやってんだろ、自分バカなんじゃないかって思うけど、登った人にしか観られない絶景があるから、って。

自分はそういう性分で、受験も就職も結婚も、多分、不器用にもそういう選択や生き方しかできない人間なんだろうなぁと思ったら、すっと腑に落ちた気がしたんです。「全然スマートじゃないし、むしろ超めんどくさいやつだな」って。皮肉すぎて笑うしかないなって思うけど、それが、自分。

でも、きっとみんなそうやって「めんどくさい自分」とどこかで折り合いをつけながら、長い人生の中で最初から最後まで一番身近にいる「自分」という存在と付き合っていくしかないんだろうなと最近すごく思います。美しくなくても、泥臭くても、そうやってしか前に進めない人間なんだからさ、と言い聞かせて。安易なキラキラよりも、汗にまみれて手に入れた景色のが眩いはずだと自分を鼓舞しながら。

実際のところ、今回のステップが終わっても、ビザがいつ降りるかは明確にはわかりません。コロナ禍で国境がいつ開くのか、ワクチン接種が求めらるのかもまだまだ不透明。それでも、ただ、今は目の前の山を、一歩一歩、ペダルを回し続けながら淡々と登っていくだけ

先天か後天か、よくもまぁこうも欲張り(もしくはドM)な性分に生まれ育ったものだと我ながら思うばかりですが、そんな私の生き方に懲りずにずっと付き合い、一緒に山に登り続けてくれる、海の向こうのパートナーに心からの愛情と敬意を込めて。

**そしていつか、この経験や記事が、同じような境遇のカップルに役立ったらいいな**

You can’t easily get what you want most.

Ayaka