「女子力」という言葉は抑止力か、推進力か?


「女子会」「女子限定プラン」「女子必見!」「タラレバ女子」…

日々の生活の中で「女子」がつくフレーズを見ない日はないといっても過言ではない今日この頃。
その中でも一番、定義があいまいで「なんとなく」使われているのが「女子力」なる言葉かもしれません。

先日、学生時代の友人3人でおでん屋さんで「女子会」をした時のこと。
結婚を機に退職、アルバイト・主婦をしている友人の1人が、旦那さんへの手作り弁当の写真を見せてくれました。
スマホにストックされた、色とりどりのお弁当たちの写真。

カエル型のかわいいおにぎり、信号をイメージした3色弁当、ハロウィーンはディズニー風、お正月にはおみくじ風…など、その手先の器用さと豊富なアイデアに感嘆!それに何より、写真を見せながら一つずつ説明する彼女の目がキラキラしていて、とっても可愛いくて。

ただでさえ不器用で面倒くさがりな私は、「通勤時間がかかる!」を都合のいい言い訳に、過去6年間一度たりとも会社に手作り弁当を持参したことがありません。(←胸張って言えることじゃないけど)
なので、純粋に
「すごいよ!!」
の一言に尽きました。

たとえ時間ができても、私には到底できないであろう、彼女の努力と才能に脱帽し、思わず、
「すごいよ!!これ、せっかくだからInstagramとかにアップして、みんなに見てもらったら、ママさんにたちにアイデアを喜んでもらえそうだし、それがレシピ集とかにもつながったら楽しそうだよね!!」
と私が言うと、
「いや、私はそこまですごくないし、旦那さんが喜んでくれたり、旦那さんの職場の人にも見て楽しんでもらえればいいから…」と彼女。
もう1人の友人(既婚・会社員)からも
「アヤカはすぐビジネスにつなげようとするねー」との一言。

これが私にとって、なかなかの衝撃でした。

もちろん、「自分がどの範囲で満足するか?」は取り組む物事によっても、人によってもそれぞれで、それが家族・職場・会社全体・地域社会・日本・アジア・全世界…と色んな規模があるわけですし、自分の「満足レベル」を人に押し付けるのは望ましいことじゃないと思います。

「ビジネス」寄りに聞こえてしまったなら、それは「稼ぎたいから」ではなく、「自分のアウトプットに対して、周りが『それ、面白い!』『このアイデアは価値がある』と思ってくれる。それに対しての評価として目に見える形で対価をいただく」のはお互いにフェアであり、自分自身の可能性を広げる次へのステップにつながっていき、周りもさらに楽しみにしてくれる。それってとてもハッピーなサイクルなんじゃないかな、っていう考えが根底にあるからです。

彼女の原動力が「旦那さんへの愛情」だったとしても、そこで発揮される彼女のポテンシャルは、身の回りでとどめておくにはあまりにももったいない、と超おせっかいにも感じてしまったのです…。

そんなことを考え、夜も布団の中でもやもやして眠りについたら、今朝、朝日新聞でちょうど「『女子力』って?そのもやもや」という特集を見つけました。

中でも気になったのは読者の方のご意見:
●「社員食堂のメニューがあまりにまずいので、職場にお弁当を持参したら『いいカミさんになるぞ』『女子力高いな』と男性社員に言われてモヤッとした。自分の楽しみのためにやるメイク、ファッション…全てが『未来の旦那様のための力』という意味合いでの『女子力』に回収されてしまう。女性自身が自分の価値観で、自分の人生を楽しむことを許さない風潮と、それに対するエクスキューズとしての便利な言葉が『女子力』なのではないか」(東京都・30代女性)
(朝日新聞 1月29日朝刊9面より)

私がInstagramを始めた時、5つ下の弟が言いました。
「『今日も一日仕事でヘトヘトだけど、しっかり手作り和食ごはん♪』って今日の夕飯の写真、アップしたら?ぜーんぶ、俺が作ったやつだけどね!『女子力』ってそうやって作られてるんでしょ?(笑)」

男性側から「女子力」を規定することもあれば、女性が自ら「女子力」とは何かをイメージして、発信することもあって、どちらも一つの意見だとは思います。
(弟は手料理の写真をアップする女性を皮肉ったというよりも、単に、「姉より料理上手な弟の俺!」という優越感だったと思いますが。)

私自身、宅飲みに手作りデザートを持参して「女子力高いね!」と言われて「やー、単に私が今日コレを食べたかっただけで!買うより手作りの方がコスト抑えられるし…汗」なんて思うこともあれば、髪のアレンジを「女子力!」と褒められて、ちょっとうれしいこともあります。
飲み会で誰かが「サラダ、直箸でいいですよね~?」と言ってくれると内心正直ほっとするし、男性と2人で食事をしていて、おしゃべりしながら自然に取り分けてくれたりすると、「あっ、がんばらなくていいんだ」ってそれだけでリラックスできることもあります。

なので、この「女子力」という言葉の定義も、付き合い方も、私自身にとって、時と場合によって実態が変わる、正体不明のもやもやおばけなのです。現時点では。

ただ一つ不安なのは、今、日本では総務省や大手企業をはじめ、「女性活躍推進」が掲げられているけれど、少子化が進む日本の中で、よくも悪くもこの「女子力」という言葉に、女の子が囚われて、自分の適性や潜在能力を、臆せずに発揮していくことをためらってしまったら、それって、社会全体にとっての損失にすらなるんじゃないのかな…ということ。
ちょっと大げさかもしれないけれど、わりと真剣に、そんなことを考えてしまいます。

もちろん言葉は、捉え方しだいだから、逆手にとって使えば、それは「抑止力」ではなく「促進力」になるけれども。
1人でも多くの女の子が「女子」よりもまず「自分」であることを楽しめるように、少しずつ少しずつ、変えていけたらいいな…と思う日曜の朝でした。

Girls be ambitious!
Ayaka

【外部リンク】
朝日新聞フォーラム「『女子力』って?」次回のテーマは「『女子力』の正体」。
読者アンケートやその結果もwebで無料公開されているので、ご興味のある方はぜひ。
http://www.asahi.com/opinion/forum/